何が面白くて駝鳥を飼うのだ。
動物園の四坪半のぬかるみの中では、
脚が大股過ぎるぢゃないか。
頚があんまり長過ぎるぢゃないか。
雪の降る国にこれでは羽がぼろぼろ過ぎるぢゃないか。
腹がへるから堅パンも喰ふだらうが、
駝鳥の眼は遠くばかり見てゐるぢゃないか。
身も世もない様に燃えてゐるぢゃないか。
瑠璃色の風が今にも吹いて来るのを待ちかまへてゐるぢゃないか。
あの小さな素朴な頭が無辺大の夢で逆まいてゐるぢゃないか。
これはもう駝鳥ぢゃないぢゃないか。
人間よ、
もう止せ、こんな事は。
この詩に出会ったのは中学生の時、なんだか涙が出てきたのを鮮明に記憶している。当時は何故涙が出るのかよくわからなかった。きっとこの詩の駝鳥を「私」と置き換えて読んできたのだと今はわかる気がする。皆様も一度、この詩の駝鳥を「私」に置き換えて読んでみてほしい。何か発見があるかもしれません。何か気づいた方は是非教えてほしい。
ではでは、Enjoy your life !!