20年ほど前に「自動経営システム」を作って欲しいと言われたことがあります。その会社では些細な意思決定も社長が行っていました。結論から言えば完成しなかったです。それでもかなり効率的な意思決定ができると社長は喜んでいました。低スペックマシンで膨大な計算処理をして出てくる結果は「社長の勘の結果」と差異が少なかったので、担当者に仕事を振り向けることができたからです。
単純に言えば、
「経営に影響を及ぼすであろう主要素を媒介変数としてとらえ、適度な指数により重要性を調整し(ココが社長の勘)、一定の処理をして出力された内容に従って意思決定する」という内容です。
今回はシステムについて少々書いておきます。
図のようにシステムは、
入力「X」の時に「Y」が出力される「仕組み:体系」です。
完成度の高いシステムではいつも同じ結果を出力します。
例として自動販売機の「システム」を考えてみましょう。
あなたが自販機で買い物をする場合(ドリンクでもタバコでも構いませんよ)
- お金を入れ、必要な商品のボタンを押す(入力:X)
- 商品やお釣り出てくる(出力:Y)
となります。
●自販機は完成度の高いシステムですから、
まず誰が入力しても構いません。だから、ジュースを買いたい「サル」がいて、たまたま小銭を自販機に投入し、ボタンを押しさえすれば「ジュース」が出てきます(お釣りを取り忘れるかも知れませんがw)。これをコンビニでサルが行なう事は出来ません。なぜなら「対応出来ないシステム」だからです。
PCも完成度が高いシステムだし、車もそうです。だから「賢いサルはtwitterもできるし、車も運転できますw」
●さて、完成度の低いシステムでは、
同じ入力をしているにもかかわらず、出力にバラツキが出来ます。自販機の例で言えば、お釣りがでないとか、違う商品が出てくるとかです。対面販売のお店ではつり銭を間違えるとか、商品を間違えるなんてことはしばしばあります。これはシステムになっていないからです。PCでFEPが馬鹿だと、「a」を入力し変換を押したら、「あほ」とか出ると笑えますよね?本来は「あ」と出力して欲しいわけです。車でもブレーキを踏んだら急加速するとかシャレになりません。だから完成度の低いシステムは使い物にならんわけです。
●さらに柔らかいシステムというのがあります
これはどちらかと言えば「入力に対する柔軟性を受け入れる」ということです。自販機の例で言えば「金種(お金の種類)を幅広く受け入れる」ような感じをいイメージして下さい。「融通が利くシステム」です。
諸般の事情により、入出金の日付を調整できるとか、在庫データをいじれるとかです。もちろん何かの事情は様々でしょうけど(爆)手書きの伝票を書き直すなどと同様、「人間の都合に合わせてシステムが対応」してくれるわけです。だから使い勝手は良いです。
●システム化することで仕事の生産性が上がります。
経営者やリーダーシップを発揮している人は「様々な業務を処理する過程で、いくつもの意思決定をしなければなりません。それも同時にです」
生産性を落とす瞬間というのは大体、「迷う」「悩む」という意思決定が出来ない場合です。次のプロセスに進めないのですから当たり前です。だとしたら、一度、「その瞬間」のプロセスを眺めてみる事をお勧めします。
「中断する(意思決定ができない)のはなぜか?」と自問してみましょう!
もしかしたら、いつも似たような状況(条件)下で起きているかもしれません「これが入力部分です」。だからこそ自分をシステム化しておくのです。そうすれば悩むことはありません。すぐに次のプロセスに移行できます。これで仕事の生産性は一気に上がります。
ただし、この場合は完成度の低いシステムなので「出力」にバラツキがあります。人間には機械にはない「感情や気分」があります。所謂「ムラ」が出るわけです。管理のポイントは「ムリ・ムダ・ムラ」ですから、自己管理を怠ってはいけません。結果のバラツキは自己管理のバラツキだという事を覚えておきましょう。
ではでは。
Enjoy your life!!